さくらの葉
「桜餅」は桜の葉にくるまれたお菓子です。葉をつけたまま食べられるのですが、食べたことありますか? サクラの葉は「オオシマサクラ」という品種のサクラです。それ以外のサクラで塩漬けにしても、桜餅の香りはでないのです。
畑の写真をご覧ください。さくらの種をまいて3年が過ぎたところです。さくらの葉は、このように畑で栽培されております。さくらの葉のなかで、葉の大きさが規格にあわなくて塩漬けになれなかった葉があります。
せっかく栽培しても、桜餅用にもちいるためには規格外の葉は、塩漬けにされません。その為 今までは破棄されていました。しかし、近頃、ほんのわずかですが今まで破棄されていたさくらの葉を利用した商品がでてきました。弊社でも、それでさくら葉茶を販売しています。
今まで「さくら」と言うと、花をイメージした商品が主で、「本物のサクラ」は、塩漬けした「桜餅のさくら葉」と「桜湯」として結婚式の前に出される塩味の花だけでした。しかし、もう21世紀になって10年以上が過ぎているのに江戸時代からの塩漬けだけでは物足りないのは当然です。
弊社では、前回のブログに紹介したようなさくらゼリーができる「さくらジャム」があります。それ以外にも、さくら葉で作ったお茶があります。このお茶を入れると桜餅と同じ香りがします。
この春は、各地で桜祭りが中止されましたが、賑やかではありませんでしたが、個人的に桜の木の下で飲食を楽しむ人もたくさんいました。なぜ 人々は桜の木の下に集まりたくなるでしょうか?これは長い間の愚問でした。 フレグランスの本では、さくらの木から人を和ませる香りが発しられているからだと書かれていました。何となくですが、桜の花は人を吸い寄せる不思議な力があるようです。
さくらの葉から作った「さくら葉茶」は、日本航空ファーストクラスでパンの中に利用されました。写真は4,5月のファーストクラスの洋食です。左上に青印で囲ってあるパンが、弊社の「さくら葉茶」を煮だし、それをパン生地の中にねり込んでいます。「さくら」とは、春の代名詞であり、日本の象徴という意味でこのようなパンが日本航空にも利用していただけたのかもしれません。
確かに海外に住んでいる日本人にも、春になると「日本ではもう桜が咲いたらしいわよ」と桜の開花が気になるセリフを聞きます。何気なく見ている桜ですが、それぞれにいろんな面があって、 春だけの花ではなく、思い出や記念日、そして日本の象徴など、さまざまな桜があることを感じています。
桜が散っても、桜の話を一年中語っている理由は、誰でも知る桜が人知れず傷んでいることを伝えたいからです。少しづつですが、さくらの多面的なお話を続けていきますのでご覧ください。