落葉について、その楽しみ方

紅葉の話題も少なくなりましたが、遠出をしないで、公園のさくらの落ち葉を愛でて楽しんでいます。今回 この落葉の魅力を語ってみたいと思います。

写真のさくら葉は、植木鉢で育てているさくらです。大きさは高さ1メートルで、小さいながらお花も咲きますし、紅葉もします。来年のために芽がでているのがわかります。

さくら染めの方法は、ホームページの中に「さくらの学校」というコーナーがあって、その10月号には、染め方を紹介いたしました。今まで多く頂いていた質問は、さくらの落ち葉の選び方でした。

さくらの落ち葉は、できるだけ虫食いのない葉が理想的です。だから落ちる前に採る時もあります。

さくらの葉は、品種ごとに形や厚みが異なります。染井吉野という品種が一番多く植えられているので、染井吉野の葉を拾うことが多いです。

落ちたての葉は、とてもみずみずしく弾力があって、染色に適しています。

だから私は風の吹いた翌朝、人に踏まれる前に拾いにでかけます。

落ち葉を効率的に拾うためには、「気になる木」を決めて観察していると良いでしょう。私は犬の散歩コースに「気になる木」が何本もあります。それは松なら松ぼっくりを拾うためで、さくらは落ち葉のためです。いずれも自分の製作材料入手のためですが、これらを拾うようになって、天気や風向きが気になり、紅葉の移り変わりが楽しめるようになりました。染色も楽しいのですが、紅葉の変化が愛でる楽しみこそ、落ち葉拾いが教えてくれたことです。

11月28日の公園のさくら葉は、濃い黄色の葉が残っているだけでした。でも13日前は、もっと違った彩がありました。

11月15日はこんなに葉がありました。

秋の変化を楽しむのもさくら染の楽しみです。

落ち葉の中には、葉の中に小さな虫が巣をつけているのがあります。毎年 落ち葉を見てると、綺麗な年もあれば、虫食いが異常に多かったり、雨の少なかった夏の後は、早期に羽を落としてる桜もあります。また、その年の台風の影響が大きくて、台風の後は、葉が風や雨に打たれて傷だらけになります。

この白い巣をくっているような葉は、黄色から紅いろの葉を煮ると染液が真っ赤になります。真っ赤な染色液を木綿に染めると綺麗なピンク色の布なります。

木綿布を折って、折った処を割りばしで止め、染色しました。折った処には色がつかないので模様のようになります。
それを染めると、こんな模様になって、それを前かけなどにして楽しんでいます。

煮ていて感じるのは、匂いです。サクラ餅のにおいがするのは、大島桜を染めている時で、さくらの品種毎に匂いがちがいます。

食品にも旬がありますが、落ち葉にも旬があるように思います。その旬と染色するタイミングがマッチすると、染色液は赤ワインのような濃厚な色になります。そんな出会いの色は、一年に数回しかありません。出会いの色にトキメキ、染めるたびに感動しています。

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