愛でるだけではもったいない桜
〜桜をいつでも楽しむため〜
桜といえば染井吉野しか知られていないのは、残念です。桜には250以上の品種があり、私は単に観て愛でるだけではもったいないので、桜料理や、桜染めなどをしています。
桜の実はあまり知られていませんが、とっても美しく可憐です。和紙に染めると紫色になります。秋の紅葉も魅力的です。落葉を拾い集めて染色すると、鮮やかなピンク色になります。毎年秋には落ち葉で衣類を染めて「散ってからも美しい桜」を楽しんでいます。
このように桜の魅力を語る一方で、日本全国の桜は年々傷んでいっていることが伝えられています。そのもっとも大きな原因は環境の悪化です。桜を愛でる文化や歴史を継承するためにも、桜の古木を未来に残していきたいものです。
そこで、桜といつでも触れ合えるような、身近な存在にしようと桜の葉で作ったお茶の開発をしました。桜の葉100%のお茶は、飲むと桜の香がします。料理もできます。桜花の塩漬と共に茶飯にすると、おいしい「さくらごはん」が炊けます。
桜をつかった食品には桜餅をはじめ,最近では桜塩チョコレートや桜塩味スナックなどの新製品も誕生しています。しかしいずれも春限定です。各地の桜と特産品が合体して「名物の桜」と「桜料理」が一緒に普及したなら、桜は四季を通して私たちに馴染みの花になるのではないでしょうか。たとえ開花が一年に一回でも、食を通してその眼差しを変えることがでるのではないでしょうか。
バラの花も初めはご贈答品でしたが、普及するにつれて身近な存在になりました。桜が暮らしにもっと密着すれば、環境悪化の現状をはじめ桜の病気についての関心も高かまることでしょう。
日本中の桜を元気にしたいから、桜を“食べる”さまざまな情報を自分のブログで、紹介しています。
「桜と食の物語」を桜前線のように伝えて、日本中の桜を元気にしたいと願っています。
桜の工房アトリエさくら代表
岡村比都美