味噌と桜
山梨県韮塚市で、わに塚の桜を見てきました。まだ花は咲いていませんが、樹齢300年の江戸彼岸桜とその周囲の風景を撮影しきました。
山々に360度囲まれた背景の田んぼの中に立っています。 遠くから見ていると、ほのぼのとした気持ちになります。
これは推測ですが、このような樹齢300年の桜であれば、おそらく種から発芽した桜かもしれません。どこからともなく種がこぼれ、それがこれまでの成長したのでしょう。この桜が発芽した頃は、たくさんの木々があって、それらに打ち勝って、今やたった一本だけがここに残っているのでしょう。一本だけで、何を考えているのでしょう。
この桜は近隣 の人々の暮らしを見つめ、愛され生き抜いてきた桜でしょう。しかし、今も愛されているでしょうか?
先日 沖縄で見た桜とこの桜の存在が大きな違いを感じます。沖縄の桜は、常緑の植物に囲まれながら開花していました。そのせいか、その存在の大きさはなく、花々の1つの種といった感じでした。
しかし、このような一本桜は、地域の人の役に立っていました。たとえば開花が稲作開始の知らせになっており、地域の指標植物なのです。
ところが今では桜の開花で農作は開始されなくなりました。そして、県や市の天然記念物に指定されると、従来の花見も、この敷地に入ることも許されません。
この桜は健康ではありません。痛んだ枝がたくさんあって、キノコも生えていました。手当てをしてあげたくなりました。そうすれば、もっとたくさんの花を咲かせられるようになるでしょう。桜だって、人間と同じように、病気になるのです。
私は「桜」をめぐって「地域の人」の桜への愛情の度合いを計れるのではないかと考えます。つまり、「指標植物」の意味は、人々の桜へ愛情の度合いをはかれる植物という意味です。
地域の人が痛んだ桜を治療し、もっと元気な桜に回復させるか、それともこの痛んだままの状態が続くのか、見守りたいです。
このような桜が、日本各地にたくさんあります。
この桜について説明書き看板がありました。過去の歴史も大事ですが、もっと未来について考えて欲しいと思いました。このままの状態では、桜が未来にまで生き延びられません。
最後になりますが、この桜の元に来たのは、味噌学校の代表から連絡をいただいたからです。 日本の伝統食味噌とシンボル桜の交流を検討するためでした。
味噌も桜もその土地の風土によって、大切にされてきたのですが、いずれもその良さが途絶えているように感じていました。
しかし、味噌学校の商品の「みそ知るクッキー」を食べて味噌学校は伝統を伝えていると知りました。味噌の風味と味がクッキーに生かされて、実に美味しいお菓子です! さすが味噌学校製。
私の「さくらあそび」も「みそ知るクッキー」のような、上手で旨いものに仕上げてまいりたいと、味噌を食べて桜を思った次第です。