さくらのえん
タイトルはひらがなで書くより、 「桜の縁」と書いた方がわかりやすいでしょう。
桜の研究で、桜関係者との出会いはありますが、栃木県さくら市で、桜の花そのものではなく、さくらと言う名の街で、お酒屋さんに出会いました。そのお酒屋さんは、見目商店といって、日本酒に精通したお店です。
さくら市では、「さくら市のブランドを創出するための講座」を依頼されました。そのため講座の前に、町歩きをして、ひょんなことから見目商店さんと出会いました。
店内は、昔ながらのお酒屋さんという印象の店ですが、おかみさんが気さくな人で、初対面の私に街のことを語ってくれました。
その後、数回さくら市へ講習のために出向きましたが、このご縁のお陰で、街の事情をしることができました。その後 講習をご縁に、商店街の有志の皆様にも出会うことが出来ました。
聞けは、見目商店さんは、有志をつのり、田植えからお酒までつくります。そして、完成したのがこのお酒「えん」です。
さくら市でできたこの縁を繋ぎたくて、神奈川県秦野市で、桜花の生産をしている組合の皆様に持っていきました。
秦野市では日本の桜花の7割~8割を生産しています。古くは江戸時代から、桜花を栽培しており、この地区の人々にとって桜は食用です。
この地域は山も多く、お米を作りにくい地形で、桜花の栽培などがおこなわれていたようです。
関東地方の平らな地形のさくら市には、米農家が多くおり、地形上はとても対照的な街です。
今回 ほんの小さな出会いは、桜の研究からおきました。栃木県のさくらと名のる町と、伝統的な桜栽培をしている町の小さな出会いになればと思ったのです。
もちろん個人的な出会いであって、特別何かを計画しているわけではありません。人々の出会いなど、日常にあるものですから。
昨年から桜の塩漬を見たくて、千村若竹会の代表者と何回も連絡をとって、念願かなって桜の塩漬作業を取材させていただきました。
写真右は、採取した桜花を点検して、塩漬をする準備をしているところです。
食べる桜というと、桜餅と桜花の塩漬しか思い浮かばないでしょう。
花一輪を手で摘んで、昔からの方法で漬け込みます。全ての工程が手作業です。
写真下が桜花塩漬をしている途中写真。このように沢山の花を漬けて保存します。
近頃桜花の利用が高まり、桜花の買い付け業者も多いようですが、生産を高めるようなことはしていないようです。花をつむ時期が1週間程度と短いので、一気に摘まねばならず、天候に左右される仕事だそうです。
古くから桜の花を栽培する町の人と平野に住む桜の少ない「さくら」と名のる町が、いつの日か良いご縁で結ばれるようになればと、願って「えん」という名のお酒を持っていきましたが、そのご縁はどうなうか?
桜の花の植樹は交流に使われることが多いのですが、桜の花の縁をお酒で繋ぐことができたらと、思いました。