牛が淵の「琵琶の味」

琵琶の実

牛が淵とは、武道館の入り口と昭和館から千代田会館までの間にある淵。その淵は、建物に囲まれていて、見えにくいですが、旧千代田区役所をご存知でしたら、役所内に面していた淵です。この琵琶は千代田会館の渕側に植えられています。千代田区観光協会がこの1階にあり、打ち合わせをした際、その琵琶を仕事の一環でご馳走になりました。この琵琶は完熟だから甘くて、香り良く、この希少な経験が琵琶の味に感激を与えてくれました。

この琵琶の木は大きく、実を大量につけています。こんなにおいしいのにカラスに食べられずに残っていて、勝手な想像ですが千代田区は人だけでなくカラスの数も少ないから、食べきれなかったのでしょう。

話しが少しずれてまいりますが、都会にも果実があるけれど食べられていません。牛が淵の琵琶の味は、希少な体験だからこそブログに書きたくなりました。

では、なぜ口にできないか、それはいくつかのパターンによります。千鳥ヶ淵は甘夏の大木がありますが、その木に大きな実がたわわについても、無用なフェンス(かもしれない)が妨げているからで、もっと食用を有効活用すべきと思いますが。そして、麹町界隈の駐車場の隅の蜜柑は、地主も食べていないようです。市ヶ谷駅から中央線沿線の土手に、桜の他松やヤマモモが多数植えられていて、日比谷の帝国ホテルと日生劇場の間の通りはヤマモモの街路樹です。ここを6月13日に通ったら実が落ちて地面を汚していました。市ヶ谷の土手も付近にある法政大学の学生さんが食しているでしょうか。ヤマモモが食糧と気が付かない。無関心がそうさせるのでしょう。

では、なぜ街路樹に実がなるのか?街路樹は、国道や区道で管轄が異なります。ソメイヨシノを植えた街路樹は、戦後に流行っていましたが、今では生長の早い桜には手入れの資金繰りに苦労しているようです。「綺麗だ」という理由だけで植えすぎてしまった結果かもしれません。そもそも街路樹の植栽の歴史が浅い上に、管轄の行政担当者の知識や思考が今日の我々を困らせます。イチョウ並木は青山通りや横浜などで有名ですが、銀杏が臭気をおびて困っている処も少なくない。イチョウのような雄雌に分かれている木を選んだこと。オス木だけを植えていたはずが、誤ってメス木を植えた結果、実がなってしまったのです。行政の中で、道路や公園の担当者に土木専門家が多くて、植栽に詳しい人が少なく、千代田区の道路公園課でも、私は幾度となく千代田区のさくらの品種の豊かさをお伝えするのですが、土木の専門家に桜の品種は理解されず、桜の数の多さばかりが強調されがちです。

この10年位前から都市で蜂を飼って、蜜を集めるプロジェクトがあります。年には多くの花があることを証明してくれています。銀座ハチミツプロジェクトのハチミツを買ったことがありました。桜のハチミツを買ったのですが、今までに食べた桜のハチミツの中で一番おいしく感じました。おそらくその希少性ゆえに美味しく感じたのでしょう。ブログ「銀座の蜂蜜」をご覧ください。

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