桜は散ってからがおもしろい理由 1

「桜は散ってからがおもしろい」と語り続けてきました。

先週桜染の方法を知りたいというリクエストがありました。今回、散ってからがおもしろいと語る理由と共に、染色方法を公開いたします。

「桜染め」について
桜の花でそめると思う人が多かったり、ピンク色に染まっているものを指していたり、人それぞれの受け取り方があるようです。

実は染める側にも、それぞれの染め方があって、料理のレシピ同様に染め手によって、その手法は様々です。

「素材選び」
私の染め方は、一年中桜で染色しています。しかも、台所で気楽に染色するので、化学薬品等は使わず、煮物の鍋で染める方法です。

桜は、若葉でも、実でも染色できます。今回は若葉を使いましょう。ただし、むやみに木を傷めるよな事をしないでください。桜の根元から生えている枝を取ると良いでしょう。

染める素材は、なんでも染まります。夏向けには綿100%がお勧めですが、綿を染色するためには下処理が必要になります。 説明が長くなるので。詳しいことは次回のブログでお話します。

下処理方法は、豆乳か牛乳を水で割って(1:1)素材をそこに1時間程度漬けこみます。

その後、取り出して水洗いします。

長いスカーフなどは、写真のようにたたんで折り、割りばしなどで止めます。染めた後、とめた部分が白く染まらないので柄になります。

「染色液の作り方」
写真のような若葉で、染色できます。
桜の品種別に染めると、色の違いがでます。
写真 (右)大島桜50g
左)染井吉野 50g

写真のように、葉を鍋に入れて水から煮出します。

沸騰してから30分後、黄緑色かかった透明な液体になります。もったいないけれど、この液だとピンク色になりにくいので捨てます。

再び、水を入れて煮て、沸騰したから30分位たつと葉は茶色になり、中の液は透明な薄いピンク、オレンジ色かかった液体にかわります。

その液体を布でこして、器に入れて沸騰させます。

「染め方」
染色液が沸騰したら、その液体の中に染める素材を入れます。
煮ものをつくる感覚です。煮ものは、冷ました時に味がしみていきますが、染色も同様です。煮出して30分、冷まして30分程します。

今回は綿のスカーフと手袋を染めます。染色液の中で30分に出し、冷ました状態です。綿の手袋やスカーフを染めると、紫外線防止用に使えるので、好んで染めています。

1回煮出して、冷ましたら、素材を水洗いします。水洗いすることで、再度重ねて染める時に色が濃くなります。再び元の染色液を煮て、沸騰してきたら洗った素材を入れます。20分~30程度過ぎたら、火を止めて冷まします。冷めたら洗って終了です。もし時間があれば、一晩そのまま漬け置きすると色がもっと濃くなります。

手袋は、割りばしでとめておいた部分が白いので柄のように見えます。スカーフもピンク色と白く抜けた部分が柄のようになります。

同じ液体の中で染めたものですが、素材によって染まる色が異なります。今回はスカーフも手袋もほぼ同じ色に染まりました。

紫外線のきつい頃となりました。桜染めの手袋は、自転車に乗るときの必需品です。もちろん首にもスカーフをつけて、さっそうと新緑の中、私は自転車で走ります。

桜の色を布にうつして楽しみます。

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